海洋新総帥

ただのブログ。

パペッティア人の外見描写メモ

ノウンスペースのピアスンのパペッティア人が好きなので外見についての描写をメモしておく。

  • リングワールド

p.10

部屋の中央で、こっち向きに立っているのは、人間でもヒューマノイドでもない何かであった。三本脚で立ち、屈曲自在な細い二本の頭の先についたふたつのひらたい頭が、それぞれの位置からルイス・ウーを見つめている。その異様な体躯のほとんどを蔽っているのは、白っぽい手袋の革のような皮膚だが、粗い褐色のたてがみが、ふたつの頭のあいだから背骨にそって下へのび、うしろ脚の複雑なつけ根のあたりまでを蔽っている。二本の前脚を大きく開き、小ぶりな釣爪状の蹄が、だいたい正三角形をなして床をふまえている。異星の獣だろうとルイスは思った。あのひらたい頭部には、脳髄を入れる余地などありそうにない。しかし、よく見ると、ふたつの頭のつけ根のあいだが、こぶのようにもりあがり、たてがみも、その部分を保護するように厚く濃くなっている……

 

p .11

パペッティア人ーピアスンが"人形師 "と名づけたやつだ。その脳と頭蓋はあのこぶの下にある。獣などではない。少なくとも人間に匹敵する知恵の持ち主なのだ。両方の頭にそれぞれひとつずつ、骨の中に深く埋まった目が、ふたつの方向から、ルイス・ウーをじっと見すえていてた。

 

p.15

で、いままでパペッティア人の手はどこにあるのだろうといぶかっていたルイスは、そのロが手に当たるのだということを、はじめて知ったのである。

みごとな "手"だ、と彼は感じいった。その手がそろそろとのびて、ルイスに、一枚の立体写真(ホロプリント)をわたした。伸縮自在のくちびるが、歯よりも数インチさきまで突きだしている。人間の指と同じように乾いており、縁が、いくつかの小さな指のようになっている。菜食向きの四角い歯ならびの奥に、とがった舌の動くのが、ちらりと見えた。

 

p. 136

「わたしたちのセックス関係では、伴侶のひとりは、その……家畜みたいなもの、知性のない存在なのです。だから、志願者は、ひとりでいいわけです。〈指導する人びと〉は━━」

 

p.233

「わたしの耳は、頭についています。耳はふさがれていたのです」

 

p.280

パペッティア人は何もいわない。その映像は、いまだにひとつ目玉の大蛇の首が一本。

 

 

 

リングワールドふたたび

71p

「いい口実を与えてしまった……そういうことです」〈至後者〉は、そわそわと歩きまわる──ポクポクボク、ポクポクポク。 「知ってのとおり、わたしは、もしネサスがリングワールドからもどってきたら伴侶とすることを約束しました。彼がそれを要求したのです。そして彼は帰ってき、わたしたちは結婚しました。そのあとで、もう一度、今度は愛情ゆえに結婚しました。ネサスは気ちがい、〈至後者〉もくるっていることがある、それで……わたしは解任されました」 ルイスがだしぬけにたずねた。「あんたたち、どっちが男なんだい?」

72p

「なぜネサスにそれをたずねなかったのか、ふしぎな気がしますね。もっとも、彼は答えようとしなかったでしょう、どうでしたか?ネサスは、ある種のことについては、たいへん恥ずかしがりやなのです。わたしたちの種族には、二種類の男性があるのですよ、ルイス。わたしの種類は女性の体内に精子を植えつけ、ネサスの種類は、器官はよく似ていますが、女性に卵子を植えつけるのです」ハミイーがたずねる。「すると、遺伝子が三組あるわけか?」「いいえ、ふた組だけです。女性は遺伝には寄与しません。事実、女性は女性どうし別途につがいあって、女性をふやします。女性は、歴史のはじまる前からわたしたちと共生してきましたが、正式には異種族なのです」ルイスは思わずたじろいだ。パペッティア人は、地蜂のようにして子孫をつくるのだ。やつらの子は無力な宿主の肉体をむさぼるのだ。ネサスは性のことを話したがらなかった。その感覚は正しい。これは忌わしいことであった。